こんにちは!けちゃです!
公立小学校の1学級あたりの上限人数を2025年度までに全学年で35人に引き下げへ。小2から段階的に引き下げる計画。https://t.co/RTJxqfAlLa
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) December 16, 2020
公立小学校の学級人数の上限を減らします!
というニュースが飛び込んできました。
個人的にはすごく賛同する方針なのですが、財務省など一部の機関から消極的な意見も出ています。
今回は、日本の学級の現状、クラス人数を少なくするメリットとデメリットについてわかりやすく解説します。
一緒に教育リテラシーを高め、子どもがより過ごしやすい環境を作っていきましょう!
✅ 日本の学級の現状
✅ クラス人数を少なくするメリットとデメリット
日本の学級の現状
「2025年度までに公立小学校の学級人数の上限を35人へと引き下げる」という方針が2020年12月に発表されました。
これは約40年ぶりの学級人数引き下げにあたるため、教育業界ではとても話題になっています。

クラスの上限人数についてそもそも知らなかったという方も多いと思います。
まずは、日本のクラスの現状についてみていきましょう。
✅ 公立小中学校の学級上限人数は40人(小学校1年生のみ35人)
✅ 実際は小学校の9割、中学校の7割の学級が35人以下
あれ?と違和感を感じた人もいるのではないでしょうか。
今回発表されたのは、公立小学校の上限を35人に引き下げるというものにも関わらず、すでに9割の学級が35人以下なんですね。
実のところ、文科省が「公立”小中学校”の学級上限は30人」を求めていた一方で、「そんなことをしても財政が圧迫するだけだ!」と財務省が消極的な姿勢。
その結果「公立”小学校”の学級上限は35人」という折衷案に落ち着いたという形なのです。
文科省は引き続き、段階的に引き下げていくことを要求することが想像できますね。
ではなぜこのような議論が起こるのでしょうか。
クラス人数を少なくすることのメリットとデメリットをみながら確認してみましょう。
クラス人数を少なくするメリット
✅ 先生の目配りがしやすく細やかな教育が行える
✅ 3密を回避し感染症を防げる
メリットは大きく分けてこの二つがあります。
先生の目配りがしやすく、きめ細やかな教育が行える
1人の先生が見る子どもの数が減ることには大きく2つのメリットが存在します。
学力向上に期待ができる
子どもにとって「先生がどれだけ自分を見てくれるか」は様々な学習にとってとても大切なモチベーションの1つです。
子どもが学びを楽しいと感じるとき、「先生が自分と対話をしてくれる」「できたときに褒めてくれる」のような要因が大きく関わってきます。
学級人数が少ないほど、先生は生徒に対して学力向上につながるようなアプローチを行うことができるのです。
子どもの学びのモチベーションについては以前に書いているので興味があったら読んでみてください。

学校の先生の負担が減る
ここ数年、学校の先生の過重労働がとても問題視されています。
小学校でも10%以上の先生が月に80時間以上の時間外労働を行なっているというデータもあり、教師という仕事が苦しく大変であるというイメージは年々強くなっています。
学級人数が減れば、それふだけ1人の先生への負担も減ります。
学校の働き方改革が叫ばれている今、学級人数を減らすことは時代にフィットした政策であると言えますね。
学校の働き方改革に関する詳しい記事はこちら

3密回避 コロナ対策
これはタイトルそのまま、といったところでしょうか。
人数を減らした分だけ席同士の距離も離れ、感染の予防になるというものです。
財務省は「40人学級を30人に減らしたところで感染リスクに差はない」と主張していますが、少しでも少ないに越したことがないというのも事実ではありますね。
クラス人数を減らすデメリット
✅ 教員人数の増加
デメリットは「教員人数の増加」これに尽きるでしょう。
なぜ教員人数の増加がデメリットになりうるのか、それには2つの理由があります。
財政負担の増加
一つ目は財政負担の増加です。
公立小学校の先生は公務員、すなわち人数が増えれば増えるほど税金の支出が増えるのです。
財務省は可能な限り財政負担を増加させたくないという方針であり、文科省も「追加的財政負担ができる限り生じないよう計画的な改善をしたい」(萩生田文部科学大臣)という方針を示しています。
教員の質が下がる可能性
二つ目は教員の質が下がる可能性です。
教師を増員することにより、教師の質が下がってしまうのではないかという懸念もされているのです。
まとめ
今回は、日本の学級の現状、クラス人数を少なくするメリットとデメリットについて解説しました。
学級人数を減らすことには、きめ細かな教育や3密回避といったメリットがある一方、財政の問題や教員の質という懸念点も存在しています。
しかし、近年は以前のような講義形式で受動的な授業ばかりではなく、アクティブラーニングやディスカッションを始めとする能動的な授業も取り組まれています。
これらの効果をより向上させるためにも、クラスの少人数化はとっても重要な鍵を握っているのです。
